第14話 灯台守と人魚のランプ

やさしい不思議の本 著者:しおりさと

嵐の多い岬の灯台守トウヤには、秘密の友だちがいました。人魚のルルです。ルルは海の底で光る貝を集めるのが趣味で、月に一度、満月の晩に灯台の岩場へやって来て、トウヤとおしゃべりをしました。

ある秋の夜、大嵐が来ました。灯台のランプが強風で消えてしまい、沖では船が道を見失いかけていました。トウヤは必死にランプを直そうとしましたが、部品が壊れています。

「トウヤ!」 波の間からルルの声がしました。次の瞬間、海面が星空のように光り始めました。ルルが集めた何百もの光る貝が、岩場から沖へ、一列に並んで浮かんだのです。

船はその光の列をたどって、無事に港へ入りました。

嵐の後、トウヤは小さな真鍮のランプをルルに渡しました。 「僕の宝物だ。貝のお礼に」 ルルは嬉しそうにランプを抱えました。 「じゃあ私の宝物もあげる。一番大きな光る貝。暗い夜は、それを見てね」

今でも嵐の夜、その岬の海では、貝の光の列が見えることがあるそうです。