ミキが生まれた日、おばあちゃんは庭にりんごの木を植えました。
「この木はミキと一緒に大きくなるんだよ。ミキの誕生日にはね、特別な金のりんごが一つ実るのさ。それは、約束の味がするんだよ」
本当に、毎年ミキの誕生日には、一つだけ金色に輝くりんごが実りました。味は、甘くて、少し懐かしい味がしました。
ミキが十二歳の春、おばあちゃんは亡くなりました。その年の誕生日、ミキは木の下で泣きました。今年は金のりんごは実らないと思ったのです。
ところが、枝の奥に、小さな金色が見えました。りんごは、今年も実っていたのです。ミキがかじると、優しい声が聞こえた気がしました。 「約束は、姿が見えなくなっても、守られるものなんだよ」
ミキは決めました。自分の子どもが生まれたら、また庭にりんごの木を植えようと。約束は、こうして手渡されていくのです。