第40話 どんぐり銀行

やさしい不思議の本 著者:しおりさと

森の大きな樫の木のうろには、どんぐり銀行があります。頭取は年老いたリスのギンさん。森の動物たちは秋にどんぐりを預け、冬に少しずつ借りて暮らします。利子は、春に一粒、余分に戻すこと。

子リスのクルミは、初めての預金に来ました。 「ギンさん、どんぐりって、預けたら減らないの」 「減らないよ。みんなの預けたものは、困った誰かの冬を助ける。助け合うから、減らないんだ」

その冬、大雪で食料の尽きたウサギ一家が銀行に来ました。クルミの預けたどんぐりも、その一家の夕ごはんになりました。春、ウサギたちは利子をつけて返しに来て、クルミに小さな花束をくれました。

クルミは思いました。どんぐり銀行の本当の貯金は、どんぐりではなく、助け合いの気持ちなのだと。