あめ屋の店主、アメ婆さんの作るあめは、明日の天気が分かります。甘いミント味なら晴れ、少し酸っぱいレモン味なら雨、綿菓子のような味なら雪。農家の人々は、この店のあめで農作業の段取りを決めるのです。
天気予報の精度が上がった今も、店は賑わっています。理由は、婆さんのあめが「気持ちの天気」まで当ててくれるから。
落ち込んだ様子の青年が、雨の日に来ました。婆さんは虹色のあめを差し出しました。 「お客さん、あんたのあめは虹味だよ。明日は心が晴れるって出てる」 「虹味って、どんな味ですか」 「食べてからのお楽しみさ」
青年があめを口に入れると、雨上がりの空気のような、清々しい味が広がりました。不思議と、足取り軽く店を出ました。
あめ屋の暖簾には、今日も「天気と心、占います」と書かれています。