第58話 星の砂の浜

やさしい不思議の本 著者:しおりさと

南の島の浜には、星の形をした砂があります。地元の言い伝えでは、それは空から落ちた星の欠片で、拾った人は、その星が見ていた景色を夢に見るそうです。

島を訪れた少女、ホシカは浜で星の砂を一つ拾いました。その晩、夢を見ました。宇宙の高いところから見た地球。青くて、静かで、宝石のようでした。夢の中で、星の声がしました。 「私は何千年も空から見ていた。この島の人々が歌い、船が出て、子どもたちが育つのを。あの砂は、私の記憶のかけらだよ」

朝、ホシカは砂を浜に返しました。記憶は、皆のものであるべきだと思ったのです。その代わり、ホシカは星の砂の絵を描いて、島の小さな資料館に寄贈しました。

今でも島の浜では、星の砂が静かに光っています。空の記憶は、大地に降りて、また誰かの夢になります。