町の図書館には、猫の司書がいます。名前はブン。ブンは本を探す人のそばに来て、棚の前で座り込みます。彼が座った場所の本が、その人に必要な本なのです。
進路に悩む高校生が、図書館で途方に暮れていました。ブンは彼の前を歩いて、棚の一角で座りました。そこにあったのは、写真家の伝記でした。 「猫が、薦めてくれたの」 司書の女性は笑いました。「ブンはね、人の顔色を読む名人なんです」
高校生はその本を借りました。読み進めるうちに、自分の好きだった写真のことを思い出しました。進路の答えは、自分の「好き」の中にあるのだと気づいたのです。
閉館後、ブンは月明かりの窓辺で毛づくろいをします。本は人が選ぶもの。でも時々、猫に選んでもらうのも悪くないのです。