消防署の猫、ヒカリの仕事は、出動する消防士たちを見送り、帰りを待つことです。サイレンが鳴ると、ヒカリは署の入口に座って、車が見えなくなるまで見送ります。そして帰ってくるまで、入口で待ちます。
大雨の夜の出動のとき、ヒカリは雨の中でも入口に座っていました。隊員たちが無事に戻ると、ヒカリは濡れた体で「にゃあ」と鳴きました。隊長は笑って言いました。 「ヒカリが待っててくれると、帰る場所がある気がするんだ」
署の皆は言います。ヒカリのいる署は、家族のような署だと。猫一匹の存在が、緊張の現場から帰る人々の心を、ほっとさせているのです。
今夜も出動のサイレンが鳴ります。ヒカリは入口に座って、帰りを待っています。